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今回はちょっとこのサイトのルールから外れてしまうかも分かりませんが、ちょっとお値段の張るウイスキーです。

「ジョン・ウォーカーズ オールデスト」というタイトルを見て「オールデスト……超古い酒?」と思った人は20点です。
「ジョニーウォーカーの何か?」と思った人は50点。「ジョニーウォーカーのブルーラベルでしょ」と思った人は80点。
「ええっ!? あのジョン・ウォーカーズ・オールデスト!?」って思った人が100点です。

ジョン・ウォーカーズはジョニーウォーカーの前身とも言えるボトルですがちょっと色々と長くなりますから、説明はジョニーウォーカーの説明の後にしますが、
ジョニーウォーカーは世界で一番有名なブレンデッドウイスキーの銘柄で、現在でもブレンデッドウイスキー(スコッチ限定でなく)の中で世界一の売上を誇る
大変に有名な銘柄です。特に日本では「ジョニ黒」と呼ばれ持てはやされた時期もあったりしたりなんかで、スコットランドやイギリス、アイルランド、アメリカを
除けば世界でも知名度が高い国でもあります。昔は関税と物品税のお陰で月給の半分以上を出さなければ買えない酒等と言われたジョニ黒も、現在では平均収入で
換算すれば月給の1/100程度の価格で700mlボトルが買えちゃいます。位置づけとしては12年物という事もありバランタインの12年やオールドパー、マッカイの13年等、
ミドルクラスのブレンデッドウイスキーとして多くの人に愛飲されている気がします。



ジョニーウォーカーの元祖は「ウォーカーズ・オールドハイランド」という銘柄で1866年頃(ジョニ黒のラベルに記載されている1820はジョニーウォーカーを発売した
ジョンウォーカーアンドサンズの創業者の父親(当のジョニーウォーカー本人)が食料品店を設立した年です)に発売されたブレンデッドで(コレ以前にもヴァテッド
モルトウイスキーを販売していましたが、今回はブレンデッドの話なので省きます)現在で言う「ジョニーウォーカーブラックラベル(12年)」と同じ位置付けの
ボトルなのですが、この時代のウイスキーとしては(もう少しだけ後になりますが)バランタインがあったり、ウシュクベーのモルトウイスキーがあったりした中で
ウォーカーズは現在のジョニーウォーカーと同じ(正確には新しいブラックラベルとは違い旧ボトル(画像のオールデストと同じタイプ)に近い丸っこい形ですが)
角ばったボトルに24度の角度を付けた横向きのラベルを貼り付けて発売し、大変に斬新な見た目でたちまち有名になったそーな。


20世紀に入ってからは売上が大きくなっていった事もあって更に銘柄を増やし、従来のウォーカーズを「ウォーカーズエクストラスペシャル・オールドハイランド」
とし、現在のレッドラベルの位置付けに「スペシャルオールドハイランド」を造り、元々のウォーカーズオールドハイランドを、最も下のスタンダードに据えて、
それからまた幾らか期間を経てそれぞれの名前をまた一新して現在と同じ名前の「ジョニーウォーカーブラックラベル」「ジョニーウォーカーレッドラベル」そして、
現在は日本には卸されていませんが海外向けに一部出している「ジョニーウォーカー・ワン」に属する「ジョニーウォーカーホワイトラベル」を出したのです。
その銘柄が確立したのが1910年辺りで、これが現在までずっと出ているジョニーウォーカーなのです。


現在はジョニーウォーカーのラベルの色も増えて、それぞれ白(日本では発売されてません)と赤と黒と緑と金と銀と青に価格順に区分されています。
(といっても生産終了品になった緑はヴァテッドな事もあって若干別な位置付けですが)色がないものとしてはスウィングボトルというものもあります。
白と赤とスウィング、そして青は熟成年数表記が無く、黒が12年、緑が15年ヴァテッド、金が旧ラベルは18年、新ラベルが15年、金の新ラベル生産を機に作られた
銀(プラチナラベル)が新しく18年というクラス分けになっています。





とまあ、ここまで説明した所で、ようやく「ジョン・ウォーカーズ・オールデスト」の説明に入りますが、単刀直入に言えばオールデストはブルーラベルの前身です。
ブルーラベルは15-60年「程度」のブレンドとしてジョニーウォーカーのフラッグシップとして発売されていますが、このブルーラベルにも前身となるボトルがあり、
一番最初に現在のブルーラベルの位置付けで、1986年頃(正確な数字ではありません)に発売されたのがこのジョンウォーカーズオールデストなのです。

ジョンウォーカーズオールデストは、上の画像の物が最も古い物で、これを発売した当初すぐに「スコットランドのスコッチウイスキー法」の「熟成年数表記」の
項目に引っかかってしまい(ラベルの下の方にありますが「AGED 15 TO 60 YEARS(15年から60年熟成)」の表記が「最も短いモルトの熟成年数を表記しなければ
ならない」というルールに引っかかったのです)すぐにラベル変更を余儀なくされ、この表記が消されたジョンウォーカーズオールデストが発売されました。
それから1990年に「ジョンウォーカーズオールデスト」が「ジョニーウォーカーオールデスト」に名前を変え、更に1992年、現在と全く同じの(ボトルの形は
違いますが)「ジョニーウォーカー・ブルーラベル」が発売されたのです。


こいつの せいで おこられたの



でまあ、ここまで説明しただけでもある程度貴重なもんなんだなあー、と思われる事と思いますが、実は15-60年表記の「ジョンウォーカーズオールデスト」は
そんじょそこらの貴重な酒とは別次元の物でして、殆ど知っている人は居ないと思いますが、実は330ケース(箱が大きく6本入で1ケースでした)しか製造されず、
つまり世界中でこの酒を探しても2000本以上は決して見つからないというボトルなのです。



最近発売された2900本限定の竹鶴シェリーウッドフィニッシュを、ここを見ている人の内、一体何人が手に入れたのか分かりませんが、世界一の売上を誇る
ジョニーウォーカーが最上位クラスのブレンドを世界中に向けて(ただオールデストは日本向けはありませんでしたが)2000本だけ販売した、という事が
一体どういう意味か、多くの人が解ると思いますが、シェリーウッドの入手困難のレベルとはもう遥かに桁が違う希少さを持っているという事なのです。
日本ではこのジョンウォーカーであるかジョニーウォーカーであるか、ブルーラベルであるかオールデストであるか、という情報は極めて乏しく、その違いを
知っている人はそう多くはない様で、極稀にブルーラベルの代わりの様に競売で売られる事がありますが、実はこのジョンウォーカーはジョニーウォーカーの
ブルーラベルを普通に買う時の価格とは桁違いで、イギリスやスコットランドでは600£(約10万円)辺りの価格で販売しても知ってる人が買ってしまって
売切れてしまうというボトルなんです。ボトリングが1990年辺りである為、モルトの中には1930年代の物もあり、閉鎖蒸留所のモルトも含まれている可能性が
あり、更に当時のフラッグシップ(現在のキングジョージ等、更に上は全く無かった)であった事もあってブレンド率も違い、現在のブルーラベルとは
一線を分かつ、本当の意味で「大変に貴重な酒」のひとつなのです。同クラスはロイヤルハウスホールドではなく、ザ・ロイヤルハウスホールドと言える
程に違うものなのです。



最も気になる味については、流石の私も手に入れたのが最近という事もあって未だ開封出来ずに居る為、もうちょっと時間が経ってからという事で勘弁して下さい。
基本的に私はコレクターではありませんし、酒は飲む為に生まれてくるという考えを持っていますから、知らなかったら普通のブルーラベルとして開封出来るので
しょうけど、流石にジョンウォーカーズ・オールデストとあっては私もちょっと覚悟が必要です。

とはいえ、入手価格は嬉しくも悲しくもある1万円ちょっとという破格の金額でして、ヤフーオークションで購入しました。
私はこのボトルを知っていましたので「これは流石に……欲しいけど、無理だろうなあー」という気持ちで3万円程度の入札をしていましたら、あろうことか
たった一人が1万円辺りまで引き上げただけで普通に終わってしまって、何と言うか、何回も使った言葉ですが「メタクサ40年現象」を思い出しました。
「似たラベルで価格帯が全く違う酒があったり、無名すぎて知られていない酒は一般流通価格から遥かに下の価格で落札出来る可能性がある」とはまさにこの事です。
大変に、大変に嬉しかったですが、逆にこれを知っている人も殆どいないのか……というちょっぴり悲しい気分でした。



で、えー、後は何かあったかしらん。まあいつも通りの進め方でしたら、入手難易度ですが……まあ「チャンスが来ない限り入手出来ないに近い」という具合です。
酒屋を巡って見つかる酒ではまず無いですし、誰かが押入れの奥からお父さんの遺品整理で見つけてオークションに掛ける(上限1980本で日本輸入無し)という確率を
願う他は、10枚ぐらいの福沢諭吉を用意してebayに張り付くくらいしか方法は無いと思います。そういう酒ですのでここに書いた方が良いかどうか迷ったんですが、
上記の通り、日本で知っている人が余り多くないみたいなので必要としている人への情報提供を兼ねて書いた、という感じです。


まあ、1万や2万なんていう価格で見つけたら、買ったほうが良いのかも悪いのかも、ではなく絶対に買った方が良いです。
私は酒を売り物にするのは好きではありませんが、これならebayに出せばどうあっても2〜4倍程度の値になりますから、飲まない人でも、というレベルのもんです。
恐らく海外のオークションサイトでは1本も出ていない事でしょうから。




ジョニーウォーカー・バックラベル